Q & A

JKGに寄せられる多くのご質問への解答です。ご参考にお願い致します。

Q1
プロのカスタムナイフメーカーになりたいのですがどのようにすれば良いでしょうか。
どなたかの弟子になりたいのですが。お給料は出るでしょうか。

A
多くの方から寄せられる質問です。
ほとんどのメーカーは本職を別に持ち、趣味またはサイドビジネスとしてナイフを製作販売されています(パートタイムメーカー)。 
ナイフまたはナイフ作りが大好きでなければ続けられません。
カスタムナイフを製作販売するだけで生計を立てている方(フルタイムメーカー)は国内ではわずか5,6人です。
個人で製作しているメーカーは給料を払うほどの余裕はありません。
逆にカスタムナイフメーカーに授業料を支払う時代です。しかし、友達になって教えてもらうことはできます。

カスタムナイフはひとりで、ナイフの刃、ハンドル、革のケースまですべてを手造りします。
金属加工ですから機械も多く使用します。
プロのナイフメーカーをめざすならナイフメーカー用ベルトグラインダー、ボール盤、フライス盤は必需品です。
その他に革細工の道具、研磨用工具などが必要です。
パートタイムのナイフメーカーでもこの程度は所有している方が多くいます。
ある程度の資本と作業場所が必要です。
作業中にほこり、騒音や臭いが出ますので、マンションや住宅街では難しいと思います。

趣味のナイフメーキングがアメリカから導入され、鋼材、ハンドル材、革などを販売するナイフ材料店は全国にあります。
JKG加盟の法人部会のショップにお問合せ頂ければ、材料は入手できます。
また、カスタムナイフの情報は「ナイフマガジン」という雑誌が隔月に発売されています。
まずはそのようなところでカスタムナイフの情報を入手ください。

是非次の質問に答えてみてください。

   1.あなたはアウトドアの趣味がありますか。一ヶ月に何回フィールドに出られますか。
   2.あなたはナイフを普段使い慣れていますか。それはどんな場面ですか。
   3.あなたはモノ造りが好きですか。 何を作られたことがありますか
   4.あなたは工具、工作機器を扱えますか。 鉄工ヤスリを使ったことがありますか。
   5.あなたはナイフショーをご覧になったことがありますか。
   6.あなたはデザインの能力がありますか。
   7.あなたはカスタムナイフとファクトリーナイフの違いをご存じですか。
   8.あなたは砥石で刃物を研いだことがありますか。

このような経験が無い方・カスタムナイフの知識が無い方はまずナイフメーカーになることはできないでしょう。
現在人気のあるナイフメーカーはほとんどが趣味でナイフ造りを始め、ナイフショーなどで名前が売れていった方か、もともと著名な刃物の鍛冶がナイフを作り始めたといった方です。
カスタムナイフ自体は弟子入りするほど難しい技術はありません。
しかし、デザインや研磨の技術はナイフメーカーのセンスによるところが多いので、個人で努力できるかどうかにかかっています。
自分でプロになれるものではなく、作品がよければ自然に売れるようになり、自立できます。
JKGができて26年になりますが、その間にナイフ造りをやめた方もたくさんいらっしゃいます。
JKGはナイフメーカーの為に販売する場・広報の場としてナイフショーを開催しています。
このような場で直接ナイフメーカーと話をされていろいろお尋ねになると更に判りやすいと思います。

ジャパンナイフギルド   井上 武
                                                      

Q2
銃刀法とナイフの件で質問です。
刃渡り15cmを超える刀、剣、槍、なぎなたは許可なく所持することが禁止されているとありますが刃渡り15cmを超えるナイフの所持は許可を得なくてもかまわないのでしょうか?
また許可を取るにはどうすればよいのでしょうか?

A
JKGの考えるナイフは、道具としての実用が基本で,現在伝統工芸品とされている「刀、剣、槍、なぎなた等」とは異なります。
ナイフ自体は銃刀法で所持の規制はありません。
ですので、15センチを超えるナイフの所有は許可等いりません。また、そのような許可制度もナイフにはありません。
刀等に極似するものを作るナイフメーカーもいますが、刀に似ていてはだめです。あくまでも、ナイフであることが必要です。

Q3
ナイフの携帯についての質問です。
キャンプや釣りに行くときには道具箱の中に入れて車で運ぶ等のことをすれば刃渡り15cm以上のものでも持っていてかまわないのでしょうか?

A
銃刀法での携帯(持ち運び)に関しての解釈はとてもデリケートです。
刃体の長さが6センチ以上のものについては銃刀法が適用されます。
6センチ以内のものについては軽犯罪法が適用されます。
しかし、携帯していて相当な理由のあることが明らかであれば、検挙されることはないようです。
たとえば、キャンプに行く途中、釣りに行く途中、販売目的で業者に運ぶ途中、板前さんが店に自分の包丁を持っていく途中、木こりさんが木を切る目的で鉈をもって運んでいる、等常識の範囲で考えていただいて相当な理由があればいいかと思います。ただし,厳重な梱包が必要です。
ナイフメーカーがナイフを売るためにディラーにナイフを運ぶと言う行為も、商売の目的があるといえます。しかし、ナイフはきちんと梱包し、鍵のかかるバックに入れるとか、移動方法に関しては、
厳重に注意することが必要です。

逆に、悪いのは、ナイフを携帯して町の中を歩く行為、飲みに行く行為、夜中徘徊する等は、たとえカッターナイフでも検挙されても仕方ありません。
ナイフ愛好家たちがナイフを持ち寄りナイフを見せ合うこともありますが、この場合、携帯して集まると言うことは、違法性があると思われる事もあります。
このような時は、集まる場所などにあらかじめ宅配便などを利用して送り、解散時も宅配便を利用するなど、細心の注意が必要です。

Q4
ナイフが好きで集めています。
ある日 鍵に小型ナイフをキーホルダーとして付けて歩いていた為、警察から「職務質問」を受けました。「軽犯罪法」を犯しているということで警察から連絡が入り、取調べ→供述調書→検事に送られる。という事態になってしまいました。
純粋な愛好家なのですが、警察に見られたものは美術的価値のないものでしたので、美術・工芸品として所持していますと言っても理解して貰えませんでした。軽犯罪法の知識がなかったので、こんな事になってしまいました。

A
ナイフやカッターナイフ、剃刀、多徳ナイフはもちろん、缶きり、千枚通し、バット等、使い方次第で凶器になり得る物を理由無く(目的無く)携帯し、出歩くことは違法であると解釈されることがあります。
これらのようなものは、キャンプに行く途中とか、釣りに行く途中とか使用目的がある場合に限り携帯することができるということです。
それがたとえ美術品・工芸品であっても,形態が凶器になり得るもので有るならば,理由無く持ち歩くのは違法と思われます。
小型ナイフといえどもやはりキーホルダーの様な携帯の仕方は検挙される場合があっても致し方なかったかもしれません。

もっと詳しく知りたいときは、下記のような相談窓口でご相談なさってみるほうがよろしいかと思います。
警視庁の相談窓口のHPです。
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/soudan/sougou/sougou.htm

Q5
一般刃物と刀剣類の違いについて疑問があります。
「刀剣類の形状」とはどういう形状でしょうか?刀とはどのようなデザインの物なのか,反りがあれば刀なのか中心の形状、刃区、棟区等よく分かりません。

A
銃砲刀剣類所持等取締法で言う「刀剣類」の法律的な判断は警察、最終的には裁判所が行うものであって、我々が判断できるものではありません。
銃刀法自体があいまいな記述を行っているので、規制される刀剣類の形状を具体的に整理することは出来ません。 同じ刃物でも、状況によって規制の対象になるかならないか変化します。

刃物を製作する方はかなり銃刀法を認識していると思われますが、その刃物を購入される方がどの程度認識されているかも大きな問題です。
その刃物が転売されるようなことがあれば、さらにそのような意識は無くなっていきます。
一般のお客様は「売られているものだから法律に抵触していないだろう」という認識をもつ傾向もあります。

私どもがお伝えできるのは、JKGの「銃砲刀剣類所持等取締法とナイフ」のパンフレットの内容に限られます。どうしても区別が必要な場合は、警察署の生活安全課にお問い合わせください。